「ヒノキ(檜)」と聞いて、皆さん何を思い浮かべますか?
檜風呂を思い浮かべる人や、爽やかな香りを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
私がまず思い浮かべるのは、とても良質な木材だということです。
昨年の秋に奈良で毎年開催している正倉院展に行った際に、国宝正倉院正倉の外構も見学してきました。
そのとき正倉前の掲示板に、日本語版と英語版の説明が貼り出されていたのですが、英語版の記事には「AZEKURA(校倉造り)」と「HINOKI(檜)」の二つが太字で記載されていました。
当時、「他にもキーワードになりそうなものはたくさんあるのに、なぜこの二つなんだろう?」と思ったものです。
8世紀中頃の香料や薬がこの時代までまだ効能が残っているといわれるほど保存状態の良い倉は、世界的にみても他にないもので、その優秀な倉の構造は校倉造りといわれるものです。
正面約33.1メートル、奥行約9.3メートル、床下の柱の高さ約2.5メートルという実際見ると迫力あるこの倉は、解体工事や整備工事などをしながら、記録に残っている時代でも1200年以上も前から現存しています。
注目したいことは、ユネスコ世界遺産登録されたこの歴史のある倉は、檜という部材で建てられているということです。
古いお寺や神社に使われている檜の柱を調査したデータによれば、ヒノキ材は伐採されてから200年くらいまでは、圧縮・曲げなどの強度は上昇し、その後緩やかに減衰し始めるのだそうです。
そして、衝撃曲げ吸収エネルギーは伐採後300年までの間は30%ほど低下するそうですが、それ以降にはほとんど変わらないという学術報告があります。
一方でケヤキ材は伐採後300年あたりから急激にセルロースの崩壊と結晶化が始まり脆くなるので、それと比べても、檜は耐久性の面で非常に優れた構造材といえます。
さらに、ヒノキのお風呂でおなじみですが、水質腐食にも強いことでも有名ですね。
このように、今もこの歴史的な建造物を目にすることができる理由の一つとして、ヒノキという良材は大きな役割を果たしていたといえます。
正倉だけでなく、伊勢神宮や清水寺など数多くの建造物にも使用されているヒノキは、穂高住販でも購入できます。
ご興味を持った方は、ぜひお問い合わせくださいね。
天然木事業部
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